日本企業がメタバースに取り組む意味は?日本のメタバース事例とメタバース制作会社やプラットフォームを紹介

2023.12.22

日本企業がメタバースに取り組む意味 アイキャッチ

コロナ禍で加速したコミュニケーションのオンライン化に加え、2021年にFacebook社が社名変更したことから一気にバズワードとなった「メタバース」。日本でも国や地方自治体、様々な業界の企業が続々と参入し話題になりました。

 

日本企業・自治体がメタバースに取り組む意味や意義はどこにあるのでしょうか?

この記事ではメタバースとは何かから始まり、日本を代表するメタバース企業や導入企業の成功事例を一挙ご紹介するとともに、メタバースを取り入れることで日本企業が得られるメリットや可能性について考えます。

日本のメタバースを知りたい方必見です!

 


▼目次

メタバースとは何か?

メタバースの定義

メタバースでできること

メタバースの活用

日本の代表的なメタバース関連企業

日本のメタバースプラットフォーム提供企業

1.クラスター株式会社

2.株式会社HIKKY

3.凸版印刷株式会社

4.REALITY株式会社

5.株式会社Synamon

6.monoAI technology株式会社

7.株式会社ambr

8. ZIKU(ジクウ)

メタバース制作に強い日本の制作会社

1.   newtrace株式会社

2.株式会社Urth

3.株式会社Gugenka

4.V-expo(ブイエキスポ)

日本企業のメタバース事例

小売業界のメタバース参入企業:三越伊勢丹

ファッション業界のメタバース参入企業:BEAMS(ビームス)

音楽業界のメタバース参入企業

1.ソニーミュージック

2.VARK

広告業界のメタバース参入企業:電通

建設・不動産業界のメタバース参入企業:大和ハウス工業

製造業界のメタバース参入企業:川崎重工業

医療業界のメタバース参入企業:comatsuna

観光業界のメタバース参入企業:ANA

金融・保険業界のメタバース参入企業:三井住友カード

自治体のメタバース参入:鳥取県

日本におけるメタバースの可能性

まとめー日本におけるメタバースの期待と展望ー


メタバースとは何か?

メタバースの定義

もともとメタバースという言葉は、米国のSF作家Neal Stephensonの小説『スノウ・クラッシュ』(1992年)に登場する、インターネット上の仮想世界を指していました。現在では一般的に「仮想空間を用いたサービスの総称」のことを指し、明確な定義はなく様々な種類のものがあります。

「アバター」と呼ばれる自分の分身を用いて仮想空間内を自由に移動し、様々な人と自由に交流できるのが大きな特徴で、例えば他のユーザーとチャットを通じてコミュニケーションを取ったり、現実世界のようなイベントを楽しんだりできます。

メタバースでできること

メタバースの世界では主に以下のようなことができます。

      • リアリティあふれる三次元の仮想空間に没入できる
      • アバターを通して自分を表現し、いつもと違う自分を手軽に楽しめる
      • 大人数のユーザーが同時に楽しめる
      • ユーザー同士がチャットや音声を使って交流できる

 

メタバースの活用

メタバースが活用されているのは、主に以下のようなジャンルです。

      • ゲーム
      • エンターテインメント(イベント・ライブなど)
      • ビジネス(バーチャル店舗・バーチャルオフィスなど)
      • ショッピング(バーチャルショップ・メタバースEC)
      • 不動産(LAND)

まず、最も活用が進んでいるのはオンラインゲームです。

複数のユーザーと仮想空間で繋がり、チームを組んでゲームをクリアしたりオンライン対戦をするなどコミュニケーションをとりながらプレイを楽しめます。

またエンターテイメントの分野でも既に活用が進んでいます。例えば星野源や米津玄師、RADWIMPSなどの有名アーティストがバーチャルライブを行っています。コロナ禍で数多くのライブが中止となる中、アーティストとファンとの新たな接点として発展した側面もあります。

 

ビジネス面では、メタバースを活用して仮想空間上にオフィスを作ったり、バーチャル会議やバーチャルセミナー等を行うなど、ビジネスプラットフォームとして活用している企業もあります。またメタバース内にバーチャル店舗を展開して商品を展示・販売しているメーカーやブランドも多数あります。メタバースからECサイトに繋がり購入できるので、現実世界にいながらお店に訪問して商品を選ぶような感覚を味わうことができます。メタバース上でNFTアートの展示やNFTアバターへの着せ替え、それらの売買なども楽しめます。

 

メタバースにはすでに多くの企業が参入しており、今後新しい経済圏として利用される可能性は高いでしょう。

メタバース内での経済活動が活発になれば、広告業が発展する可能性もあります。例えばメタバースで行われるイベントに企業がスポンサードし、CMを流したり広告を掲載したりするのが一般的になる時代も遠くはないと考えられます。

日本の代表的なメタバース関連企業

メタバースに参入するための手段は2つあります。一つは、既に提供されているメタバースプラットフォームを利用する方法。もう一つは、メタバース制作に強い制作会社と組み、一からメタバースを構築する方法です。

この記事では、日本国内のメタバースプラットフォーム提供会社やメタバース制作会社についてご紹介します。

日本のメタバースプラットフォーム提供企業

1.クラスター株式会社

クラスター株式会社は、日本最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営しています。ユーザー同士の交流を重視しており、さまざまなワールドが展開されています。ヘッドマウントディスプレイなどのVR専用機器がなくても、普段使っているPCやスマートフォンから、ブラウザビューで無料で始められる点が人気の理由の1つです。

代表的なワールドは渋谷区公認の「バーチャル渋谷」で、コロナ禍で始まり2023年に4回目の開催を迎えた「バーチャルハロウィン 2023」は、述べ150万人を動員する巨大イベントとなりました。

▶クラスター公式サイト

2.株式会社HIKKY

(Virtual Market プロモーションムービー)

株式会社HIKKYは、世界規模の展示即売会である「バーチャルマーケット」の運営を毎年夏と冬に手掛け、多くの大企業が出展しています。

バーチャルマーケットの強みは新規顧客の開拓です。毎回100万人規模での集客があるため、バーチャルマーケットに出展することで、新規顧客にリーチできるでしょう。

また、フルオーダーメイドでメタバースイベントをプロデュースしている点ため、業界業種ジャンルを問わず幅広い事業で集客や販促に役立てることができます。

▶HIKKY公式サイト

3.凸版印刷株式会社

凸版印刷

(画像:凸版印刷プレスリリースより)

凸版印刷株式会社はメタバースサービス基盤「MiraVerse®」とデジタルツイン型メタバースサービス「デジタルツイン・ワールドトリップ®」を提供しています。

MiraVerse®の強みは現実の再現性です。インテリアであればその質感まで表現します。色や質感が重視される住宅展示場や美術館などに向いています。商談や共同作業などにも活用できます。またビジネス利用で気になる安全面にもしっかり対応。アバターの本人確認や、アバターとメタバース間のセキュア連携機能を提供します。これにより、なりすましを防止し、信頼できる相手との安全/安心なやり取りを実現します。

デジタルツイン・ワールドトリップ®は現地を再現したフォトリアルな仮想空間と、仮想空間のみでは再現できない部分をリアルタイムで中継するシステムを組み合わせています。リアルな施設の魅力を伝えることを強みとしており、工場見学や不動産内見、文化遺産、観光名所めぐりに利用するのに向いています。

4.REALITY株式会社 

(REALITY 紹介動画)

REALITYは、「REALITY」は、スマートフォン1つで自分だけのオリジナルアバターを作成し、ライブ配信による交流からゲームまで楽しめるコミュニケーションプラットフォームです。アバターは、スマートフォンのカメラに写ったライブ配信者の顔の角度や唇、まぶたの動きに合わせて表情を変えるため非常にリアルなのが特長です。

2023年11月にはアプリの全世界ダウンロード数が1,500万を突破しました。また2023年10月時点の海外ユーザー比率が約8割となっており、Z世代の若年層を中心とする世界中のユーザーに利用され、グローバルメタバースプラットフォームとして成長を続けています。

▶REALITY公式サイト

5.株式会社Synamon

(SYNMN  PV)

株式会社Synamonはファンマーケティング向けメタバースプラットフォームの「SYNMN」を提供しています。

ユーザーのファン化やコミュニティの活性化を促進。Z世代やデジタルネイティブ層のファン・ユーザーを対象に、推し活やコミュニティ作りを促進し、マルチデバイスでIPやブランドの3D空間を楽しめます。

メタバースの特性を活かして、ユーザーを巻き込んだ体験構築が実現可能です。

▶SYNMN公式サイト

6.monoAI technology株式会社

(XR CLOUD 紹介動画)

monoAI technology株式会社はメタバースプラットフォームの「XR CLOUD」を提供しています。講演会や展示会、バーチャルツアーなどさまざまな用途で利用することができます。

XR CLOUDの強みは、同時接続人数。数万人規模の同時接続が可能なため、大きなイベントなどを開催するのに向いているプラットフォームといえるでしょう。双方向での音声コミュニケーションが可能で、バーチャル空間上で積極的に情報交換や⼈との交流ができます。

XR CLOUD 公式サイト

7.株式会社ambr

(TOKYO GAME SHOW VR 2022 by DENTSU & ambr)

株式会社ambrは法人向けメタバース構築プラットフォーム「xambr(クロスアンバー)」を提供しています。

TOKYO GAME SHOW VR 2022の仮想空間の基盤で「xambr v2」が採用されました。多人数向けの仮想空間に必須となる標準機能を搭載し、Oculus Quest 2を含むVR及びPCのマルチデバイス対応しています。

拡張性が高く、プロジェクト毎にカスタマイズすることが出来ます。

▶株式会社ambr 公式サイト

5. ZIKU(ジクウ)

ジクウはメタバースで対話できるオンラインイベントプラットフォーム[ZIKU]を提供しています。喧噪音や足音などの効果音で没入感を演出し、リアルイベントのような臨場感のあるオンラインイベントを実現しています。出展ブースではチャットや音声でリアルタイムに接客ができ、商談獲得率アップにつながります。豊富なブースのバリエーションからお好みのブースタイプを選択するだけなのでCG制作は不要、簡単に、低予算で、メタバースイベントを開催可能です。

また、来場者の行動履歴を閲覧できるため、イベント終了後の来場者フォローや商談機会の創出が可能です。

ZIKU公式サイト

メタバース制作に強い日本の制作会社

1. newtrace株式会社

(newtrace制作「志摩スペイン村 Running of the Bulls」 on Roblox)

newtrace株式会社は月間2億6千万人以上がプレイする没入型ソーシャルプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」のパートナーカンパニーです。

 

長年の建築CGパース制作で培った精微な3DCG制作技術と空間演出力および再現力が強みで、国や地方自治体、BtoBメーカーのワールド制作実績が豊富。2022年には三重県の志摩スペイン村をRoblox上に再現、2023年にはRobloxにおける国内初のVTuberバーチャルライブに制作協力するなど、クライアントに寄り添った開発を精力的に行っています。

3DアバターやアイテムもRobloxに最適化されたクオリティで制作できます。

若年層向けのブランド体験やマーケティング、長期的な顧客エンゲージメントを構築したい場合に最適です。

 

2023年6月には大日本印刷(DNP)との業務提携を発表しました。アニメ・マンガ・ゲーム等のIPホルダーとの関係が深く、リアルとバーチャル、モノづくりとサービスのハイブリッドな強みを有するDNPと提携し、Roblox上での各種エンターテインメント企画の立案・運営やデジタルアイテムの提供・販売等を展開していく予定です。

▶newtrace公式サイト

2.株式会社Urth

株式会社Urthはメタバースサービスの「V-air」を提供しています。「既存顧客のためのファンベースを作りたい」「Z世代の顧客と交流したい」「ECサイトの売上が好調なので、新しい施策に挑戦したい」などの課題を持っている企業に最適のサービスです。

 

導入の手軽さ、コンテンツに目が行く設計、集客や効果把握に役立つ管理画面、オリジナルアバター・イベント用機能が特徴です。

▶V-air 公式サイト

3.株式会社Gugenka

株式会社Gugenkaは世界最大級のメタバースプラットフォーム「VRChat」の公式パートナーです。法人契約の代行をしており、メタバース空間の制作から演出、プロデュースだけでなく、有料チケットの販売、広告展開、アバター利用などをサポートしています。

▶VRchat法人契約代行サービス

4.V-expo(ブイエキスポ)

ブイエキスポは、レンタルスペースの1つです。音声通話機能やチャット機能など、コミュニケーションをスムーズにできる機能が備わっています。

セミナー・交流・展示場・学会など7つの開催タイプから、開催したいイベントに合わせて使用でき、利用者数に応じて会場を選べます。

また、メタバースを初めて利用する企業でも安心して使えるよう、サポート体制が充実していることもポイントです。

▶V-expo 公式サイト

日本企業のメタバース事例

小売業界のメタバース参入企業:三越伊勢丹

(三越伊勢丹新宿店に遊びに行こう!|REV WORLDS)

三越伊勢丹は、新宿東口の街の一部エリアや伊勢丹新宿店を再現した仮想都市にアクセスが可能な、VRを活用したスマートフォン向けアプリ「REV WORLDS(レヴ ワールズ)」を運営しています。24時間どこからでも、アバターを操作して、コミュニケーションやショッピング、イベント参加などを体験できます。

 

展開ブランドは合計約330ブランド、展開商品は合計約750点(2023年1月時点)となっており、バーチャルファッションを楽しむこともできます。また、2024年1月に「~パリ発、チョコレートの祭典~サロン・デュ・ショコラ2023」のバーチャルイベント開催も発表されており、実在する既存の伊勢丹新宿店の枠だけに捉われず、新しい顧客体験の提供とVRプラットフォームの拡大に挑戦しています。

 

既存のプラットフォームを利用した一時的なイベントにとどまらず、独自のメタバース空間を構築し運営している三越伊勢丹は、小売・百貨店業界のメタバース活用をリードする存在といえるでしょう。

ファッション業界のメタバース参入企業:BEAMS(ビームス)

三越伊勢丹

(画像:BEAMSプレスリリースより)

ファッションやライフスタイルの提案をするセレクトショップの先駆けであるBEAMSは、世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」に、企業最多である7度出店しています。「バーチャルマーケット」は、メタバース上にある会場でアバターなどのさまざまな 3D アイテムやリアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いでき、世界中から120万人を超える入場者数を誇る、世界最大のVRイベントです。 

 

2023年12月2日(土)から17日(日)にかけて行われたイベントでの出展では、BEAMSの本拠地、原宿の街並みがバーチャルに初めて再現されました。会期中は約40名の社員によるバーチャル接客を行うほか、販売中の現行商品からセレクトしVR環境で着用するアバター用の3D衣装を制作・販売するなど、実店舗「ビームス 原宿」とそれを模したバーチャルショップが様々な企画でリアルとバーチャルを繋ぎました。

 

他にも、全世界で4億6000万人のユーザーが参加するアジア最大規模のアバターベースのソーシャルプラットフォーム『ZEPETO(ゼペット)』にて、アプリ内で楽しめるアバター用ファッションアイテムを販売するなど、積極的にメタバースに進出しています。

音楽業界のメタバース参入企業

①ソニーミュージック

「ReVers3:x」本編URL

ソニー・ミュージックレーベルズは、仮想空間プロジェクト「ReVers3:x(リバースクロス)」を始動しています。

 

「ReVers3:x」は独自に制作した仮想空間を舞台に様々なアーティストのライブを楽しむことができるショートライブプロジェクトで、ソニーの最新技術を活用したグループ横断の取り組み。世界最高品質のソニーのボリュメトリック撮影スタジオ「Volumetric Capture Studio Tokyo」での4K撮影に加え、Unreal Engineを活用した、MomentTokyoによる高いクリエイティブによる仮想空間の中、通常のバーチャル音楽ライブとは別次元の高精細な品質の実現に成功。ライブハウスからの配信中継などではない、ウェブ上だからこそできるライブ演出が可能となっています。

▶「ReVers3:x」公式サイト

②VARK

VARK

(画像:VARKプレスリリースより)

バーチャルライブ事業大手のVARKは、独自のエンターテイメント特化型メタバース「VARK」を運営しています。バーチャルライブの特性を生かし、会場のキャパシティに縛られない約10万人規模のイベント開催実績があります。

 

2023年9月には、アメリカ発の世界的オンラインゲーミングプラットフォーム「Roblox」上にて、VTuber「奏みみ」さんによる1日限りの特別なバーチャルライブを実施しました。VTuberが出演する事例としては⽇本国内初(※2023年7月時点 VARK社調べ)であり、来場者数が、ライブ会場の公開から1週間で2万人を突破するなど開催前から注目を集めました。

 

バーチャルライブ業界の先駆者として、数値だけではなく出演アーティストの「世界観」や「やりたいこと」に寄り添う企画立案・制作進行・開発・運営を行い、参加者との「より深い関係性」を構築する最高の体験を提供しています。

▶VARK公式サイト

広告業界のメタバース参入企業:電通

電通

(画像:電通プレスリリースより)

電通では、XRテクノロジー(VR・AR・MRなど、架空と現実を融合させる技術の総称)を活用し、ビジネスやライフスタイルをつくり変えていく”XRトランスフォーメーション”の推進に取り組んでいる国内電通グループ横断組織「XRX STUDIO」を2021年2月に発足させました。

グループ各社が持つ多様な人材と専門性に加え、先端テクノロジー開発企業と共創し、メタバース領域におけるクライアント・パートナー企業とのサービス基盤開発から広告モデルの研究まで、さまざまな取り組みを行っています。

2021年度に開催された「東京ゲームショウVR」では、東京ゲームショウ初のメタバース基盤システムを提供し、NTTと共同でDOOR™ を活用した大規模なメタバース空間における広告モデルおよびコマースの実証を行いました。また、「XRコンソーシアム」および「日本デジタル空間経済連盟」にも参画し、業界全体の発展にも貢献しています。

XRX STUDIO 公式サイト

建設・不動産業界のメタバース参入企業:大和ハウス工業

大和ハウス工業

(画像:大和ハウス工業プレスリリースより)

大和ハウスは、2022年4月、アバターを用いてお客さまと担当者がコミュニケーションを図りながら仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「メタバース住宅展示場」を業界で初めて(※大和ハウス株式会社調べ)公開しました。

スマートフォンをはじめ、タブレットやパソコンから簡単に見学できます。アバターを介して担当者への質問や相談も気軽に行える他、ヘッドマウントディスプレイ(※6)を装着して見学した場合は、実際の住宅展示場にいるかのような臨場感も体験できます。床や壁紙・天井等の色や素材、インテリアなどの切り替えも可能で、さまざまなイメージを検討できます。地面から屋根の上まであらゆる角度から見学でき、室内では子どもやペットなどの視点でも見学が可能です。

今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していく方針とのことです。

製造業界のメタバース参入企業:川崎重工業

(Build 2022 keynote)

川崎重工業株式会社は、マイクロソフトの開発者向け年次カンファレンスである「Build 2022」で、工場における全工程をバーチャル空間で実行できるデジタルツインの構築を目指す取り組みを発表しました。マイクロソフトが提供するMicrosoft Azure(クラウドコンピューティングプラットフォーム)やHoloLens(非接続型の複合現実ヘッドセット)を使い、メタバース上での共同作業や、デジタルツインによる遠隔地からのロボット操作の実現を計画しています。

川崎重工業はインダストリアルメタバースを活用して、顧客やパートナーと協業し、新たなロボットビジネスを創出するデジタル環境の構築を目指しています。

▶川崎重工業株式会社 公式サイト

医療業界のメタバース参入企業:comatsuna

メンサポ

デジタルヘルスケア・産業保健事業を手掛ける株式会社comatsuna(以下、同社)は、メタバース空間でアバターを介した産業カウンセラーやキャリアコンサルタントとの面談やメンタル予防セミナーの受けられる法人向けサービスを提供しています。

匿名性の担保、緊張感の緩和といった心理的負担の軽減に加え、オンラインビデオ通話よりも対話による自己開示を促す効果があるといった報告もあるとのことです。企業は社員の潜在的なメンタル不調の予防策として、産業保健に加えて活用できます。

▶メンサポドクターサイト

観光業界のメタバース参入企業:ANA

ANA GranWhale

ANAホールディングスのグループ企業であるANA NEO株式会社は2023年12月、バーチャル旅行プラットフォームアプリ『ANA GranWhale』を日本にてローンチしました。

V-TRIP(バーチャル旅行空間)では各旅先の歴史的建造物やパノラマの絶景を360°バーチャルで楽しむことができ、ガイドによる案内もあります。実際の商業施設のように見て回れるSkyモール(ショッピング空間)では、デジタルアイテムに加え、実際に手元に届くEC商品を購入することもできます。

また、『ANA GranWhale』を体験して「グランチップ」を集めると、ANAのマイルが貯まる「マイルガチャ」を引くことができるなど、リアルとバーチャルを繋いだ新しいバーチャル旅行体験となっています。

▶ANA NEOサイト

金融・保険業界のメタバース参入企業:三井住友カード

三井住友カード

(画像:三井住友カードプレスリリース

三井住友カードは2022年8月、メタバース上で行われた世界最大のVRイベント『バーチャルマーケット2022 Summer』にSMBC日興証券、三井住友銀行とともに出展しました。

カード利用で貯まり、買物に使える便利なポイント”Vポイント“を楽しく知れるコンテンツやVポイントキャラクター ビバすけの3Dモデル、10,000円分のVポイントギフトが当たるキャンペーン等、メタバース上で楽しくお得にVポイントの理解を深めるコンテンツを展開しました。急速な拡大が見込まれるXR・バーチャル市場での顧客体験によって、新たな決済関連技術のニーズが予測される中、その一翼を担うとしています。

自治体のメタバース参入:鳥取県

鳥取県

 (画像:鳥取県プレスリリース

鳥取県は2023年2月、県庁内に架空の部署「メタバース課」を立ち上げ、音声会話や感情表現が可能なAI搭載のアバター職員としては日本初となる自治体オリジナルAIアバターを職員第一号として採用することを発表しました。

人口最少県である鳥取県では、メタバース空間内での鳥取県の知名度を高めることで、世界中の人たちと新たなつながりがうまれ近年の人口減少や高齢化、コロナ禍による経済の衰退といった課題の解決にも繋げたい考えです。

さらに、AIアバター職員を採用することで、24時間365日、メタバース空間を通じて世界中の人々とコミュニケーションをとっていく方針です。

鳥取県は2022年5月にも、地方創生を目的としたNFTプロジェクト「ASTROBOY JAPAN NFT」に第一弾のタイアップ先として参画するなど、地方創生に対する積極的な取り組みが注目を集めています。

▶「メタバース課」のAIアバター職員「YAKAMIHIME」

日本におけるメタバースの可能性

日本が直面している社会課題から紐解いてみると、メタバースがその解決に大きな可能性を秘めていると考えられます。

 

まず、多くの地方自治体が抱える、過疎化や経済力の縮小、若者の流出といった問題。人口流出が進む地方では、例えばリアルな店舗や・オフィスをメタバースへと移すことによって、地域を問わず、優秀な人材を採用できるようになるのです。そして、そういったハイスキル人材の接客やサービスを、距離的な制約にとらわれず、より多くの顧客に提供したり、スキルを継承するための教育の場としてメタバースを活用することもできます。

 

また、シュリンク傾向の日本国内市場においてインバウンド需要が増加する中、メタバースであれば比較的低コストで諸外国へ自社商品・サービスを海外へアピールし、インバウンドを喚起することができます。また、未来の消費世代であるZ世代・α世代とのエンゲージメントにも繋がることから、日本企業であれば、突破口の一つとしてメタバースを考えてみる価値は十分にあると言えます。

 

▶地方創生とインバウンド需要喚起へー「志摩スペイン村」の実例を見てみる!

まとめー日本におけるメタバースの期待と展望ー

メタバースの日本における活用意向領域は「オンラインミーティング」や「オンラインイベント/セミナー」が多く、次いで「マーケティング」「販促」「営業」と言われており、BtoB企業・BtoC企業ともにマーケティングや販売・営業の領域でのメタバース活用を期待しています。

 

メタバース内の法整備やVR機器の普及など解決すべき課題はありますが、メタバースの市場規模は今後も拡大すると予測されています。

大手企業・自治体が次々と参入していることからも分かる通り、メタバース参入は多くのビジネスチャンスがあると言えるでしょう。既存のメタバースプラットフォームでまずはスモールスタートから検討してみてはいかがでしょうか。

 

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