メタバースで失敗する原因とは?失敗事例や注意点を解説
2024.11.06
「メタバースで失敗するのはなぜ?」
「メタバースはオワコンって本当?」
と疑問をお持ちの方がいるかもしれません。
メタバースを活用したサービスや新規事業を検討している企業は、メタバースで失敗しないためにもターゲットや課題を明確にすることが重要です。
今回の記事では、メタバースで失敗する原因を企業側・ユーザー側、それぞれの視点で解説します。
メタバースの失敗例や成功させるためのポイントもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
メタバースは失敗する?
メタバース初心者に向けて、まずメタバースの基礎知識について確認しておきましょう。
メタバースとは
メタバース(Metaverse)とは、仮想空間を用いたサービスの総称を表します。
近年は、ゲームやショッピング、不動産など、ビジネス領域でもメタバースを活用する動きが多く見られるようになりました。
メタバースの基礎知識については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:メタバースの意味とは?仮想空間でできること、メリット、活用事例、始め方を紹介
メタバース事業化で失敗した企業の現状
株式会社クニエが実施した調査によると、事業化に失敗した企業の割合は「91.9%」に及ぶことが明らかになりました。
同調査では、失敗要因として以下の項目を挙げています。
– “粘着性“のある企画になっていない
– メタバースである合理性が説明できない
– キャッシュポイントが少ないビジネスモデルを設計している
– 現実離れしたコスト見積りで検討を進めてしまう
一方、こういった課題に対応することで、メタバース事業を成功させている企業も見受けられます。
そのため、メタバース事業化を成功させるためには、失敗要因やリスクについて理解することが大切と言えるでしょう。
参考:株式会社クニエ「【要約版】メタバースビジネス調査レポート」
【企業側】メタバースで失敗する原因
メタバースで失敗する原因は、企業に起因するものとユーザーに起因するものに分けられます。
まず、企業側の原因について確認していきましょう。
人材不足
メタバースで失敗する1つ目の原因は「人材不足」です。
メタバースを事業として成功させるためには、新規事業開発の経験がある人材、メタバースに関連した技術を有する人材、デジタル領域に特化した人材などが欠かせません。
クニエは「メタバースビジネス調査レポート」において、検討プロセスで重要な見落としを防ぐために、新規事業を推進できる人材を配置する必要性を強調しています。
さらに、まだ広く普及していないメタバースに対して、社内から反発や抵抗が生じることもあり、組織の仕組みづくりが重要と言われています。
ターゲットや課題が不明確
メタバースで失敗する2つ目の原因は「ターゲットや課題が不明確」であることです。
メタバースの事業化で失敗する企業の中には、企画立案の段階で詳細が不明確なままスタートしてしまう企業も少なくありません。
ターゲットを明確化することで、エンドユーザーに対してどのような価値を提供できるかを明らかにできます。
さらに、課題をあらかじめ把握しておけば、対策を考案することが可能です。
コスト管理
メタバースで失敗する3つ目の原因は「コスト管理」です。
コストを検討せずに企画を進めてしまったり、現実離れしたコストで見積もったりすると、事業成功の実現可能性が低くなってしまいます。
どれくらいの予算を確保できるか、実際にどれくらいのコストがかかるかを明確にした上で、プロジェクトを進めることが重要です。
【ユーザー側】メタバースで失敗する原因
続いて、メタバースのビジネス化が進まないユーザー側の要因を解説します。
利用率が低い
メタバースのビジネス化が進まない1つ目の要因は「利用率が低い」ことです。
株式会社電通が実施した調査「メタバースに関する意識調査2023」によると、メタバースプラットフォームの利用経験率は「18.0%」とされています。
メタバースの認知度に関しては、2021年の「18.6%」と比較すると、2023年時点で「82.1%」となっており、4倍以上に拡大しています。
このことから、認知度は高まっているものの利用率が依然として低く、ユーザー数を増やせるかがメタバースの将来性を左右すると言えるでしょう。
VR機器などのコストや知識が必要
メタバースのビジネス化を阻む2つ目の要因は「コストや知識が必要」であることです。
全てのメタバースプラットフォームで必要な訳ではありませんが、本格的にメタバースを始めるためには、VR機器の準備などでコストがかかります。
さらに、プラットフォームを選定したり、アバターを操作したりするためには、ある程度の専門知識が必須です。
メタバースの失敗事例
ここでは、メタバースで失敗したと言われている事例を紹介します。
失敗例1:セカンドライフ
セカンドライフ(Second Life)とは、リンデン・リサーチ社によって2003年にリリースされたメタバースのプラットフォームです。
2007年には約100万人にも及ぶユーザー数を記録したものの、2008年以降はユーザー数が減少し、注目度も下がっていきました。
セカンドライフが失敗に終わった背景には、高性能な機器・インターネット環境が必要であることと、収容人数に制限があったことが挙げられます。
ただ、現在に至るまで改善が進められており、依然として60万人以上のユーザーを獲得しています。
失敗例2:ディズニー
米国のエンターテイメント企業であるウォルト・ディズニー・カンパニーは、2022年にメタバースに参入する意欲があることを示唆していました。
実際に50人程度のメンバーで構成されたメタバース部門を新設するなど、ディズニーのメタバース事業に注目が集まっていました。
しかし、2022年から2023年にかけてコスト削減が進められ、メタバース部門は発足から1年足らずで解散という結果になりました。
このことから、短期的な収益化が難しい点がメタバースの大きな課題であることが伺えます。
メタバースで失敗しないためのポイント
ここまでメタバースの失敗例を紹介しました。
事業化を成功させるためには、企画段階からの綿密なプランニングが必要です。
以下で、メタバースを成功させるためのポイントを確認していきましょう。
メタバースの活用方法を理解する
メタバースの活用方法は多岐にわたります。
自社の強みを活かした事業を展開するためにも、メタバースの活用方法を理解することが大切です。
例えば、メタバースは観光業界においても活用されています。
石川県の魅力を発信する「MIHON-ICHI KANAZAWA(ミホンイチ・カナザワ)」では、メタバースのVR店舗が設置されました。
商品を実際に購入できるだけでなく、AR技術を使って自分の部屋に商品を置いた様子を具体化できるサービスなども展開されました。
観光業界のみならず、自動車業界、建設業界、小売業界など、さまざまな業界で活用が進められています。
企業事例を参考にしながら、どのような活用方法があるかを確認すると良いでしょう。
関連記事:観光業でメタバースを活用するメリットとデメリット!事例を紹介
メタバース活用の課題を明確化する
メタバースをビジネス化する上で、課題を明確化することが求められます。
例えば、「メタバースのプラットフォームを立ち上げた」だけではユーザーを集めることができません。
どのユーザー層に向けてどのようなコンテンツを用意するか、どれくらいのコストをかけるかなど、課題を一つひとつクリアにしていく必要があります。
チームで課題を共有し、解決策を考案できるような組織体制も重要と言えるでしょう。
市場動向をおさえる
メタバースのビジネス化を検討している場合、メタバースの市場動向を把握しておくと良いでしょう。
近年メタバース市場は大きく成長しており、新たなサービスが出現したり、新技術が導入されたり、状況が著しく変化しています。
そういった変化が激しい市場で、自社独自の価値を提供するためには、ユーザーのニーズを把握したり、競合の動きを確認したりすることが重要なのです。
関連記事:日本企業がメタバースに取り組む意味は?日本のメタバース事例とメタバース制作会社やプラットフォームを紹介
まとめ
今回の記事では、企業がメタバース事業で失敗する原因や成功させるためのポイント、失敗例を解説しました。
メタバース事業を成功させるためには、専門知識のある人材を確保し、企画段階からコストや課題などを細かく検討することが重要です。
「メタバースを始めたいものの、人材が不足している」という企業は、外部に依頼すると良いでしょう。
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