観光業でメタバースを活用するメリットとデメリット!事例を紹介

2024.07.30

観光業でメタバースを活用するメリットとデメリット

「バーチャル観光とは?」「観光ビジネスにメタバースを導入するにはどれくらいの費用がかかる?」と疑問をお持ちの方はいませんか。

観光業をはじめ、ゲームやスポーツ、ショッピングなど、近年はさまざまな業界でメタバースが取り入れられています。
メタバースの活用方法は幅広く、新たなビジネスチャンスを創出できるかもしれません。

今回の記事では、観光業にメタバースを活用するメリット・デメリットや活用事例を解説します。
メタバースに興味のある企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

観光業界におけるメタバースについて

最初にメタバースの基本的な知識について確認しておきましょう。

メタバースとは?

メタバース(Metaverse)とは、「仮想空間を用いたサービスの総称」のことです。
ユーザーは自分のアバターを作成し、バーチャル空間で他のユーザーと交流したり、イベントや展示会に参加したりできます。
総務省の情報通信白書によると、メタバース市場規模の2030年における予想は「78兆8,705億円」にまで及ぶことが明らかになりました。

そのため、近年メタバースはさまざまな業界から注目されており、観光業でも活用され始めています。
メタバースの基本的な知識については、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:メタバースの意味とは?仮想空間でできること、メリット、活用事例、始め方を紹介
参考:総務省「第2部 情報通信分野の現状と課題」

観光業界でメタバースが注目されている?

メタバースは観光ビジネスにも導入されています。

例えば、メタバース上で地域の情報を発信したり、特産品をオンライン販売したりなどのサービスです。
特にメタバース空間で観光地を訪問する「バーチャル観光」は、さまざまな自治体や地域で活用されています。

以下でバーチャル観光について詳しく確認していきましょう。

バーチャル観光とは

バーチャル観光とは、「メタバース上で旅行の疑似体験ができるサービス」のことです。

みずほリサーチ&テクノロジーズが公開している資料によると、新型コロナウイルスをきっかけにオンライン技術を活用したバーチャル観光への注目が高まったと言います。

インターネット環境があればどこからでもアクセスできるため、移動費用や時間、場所などを気にせずに観光を楽しめるためです。

例えば、凸版印刷株式会社とMONET Technologies株式会社は、観光施設までの移動中に観光地についてアバターガイドによる説明を受けられるサービスを実証実験しました。

このように、場所にとらわれずに観光体験ができるバーチャル観光には高い期待が寄せられています。それでは、バーチャル観光を導入することでどのようなメリットを得られるのでしょうか?

参考:みずほリサーチ&テクノロジーズ「DXを活用したバーチャルツアーを呼び水とする旅行意向の喚起」

観光業でメタバースを活用するメリット

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以下で、観光業でメタバースを活用するメリットを紹介します。

誰でも旅行の疑似体験ができる

バーチャル観光を導入することで、高いアクセシビリティを実現できます。
インターネット環境があれば、時間や場所を問わずにバーチャル観光を楽しめるためです。

直接現地を訪れる旅行は、スケジュールやコスト、現地の状況、自分の健康状態などによって行けない可能性があります。
特に高齢者や障がいのある方にとっては、旅行はハードルが高いものです。

しかし、メタバース上での観光は上記のような心配がないため、誰でも楽しむことができます。

現地への誘客を促進できる

メタバースでのバーチャル観光を通じて、現地への誘客を効果的に促進できます。

ユーザーが受動的に情報を受け取る動画やプロモーションとは異なり、バーチャル観光ではユーザーが能動的に活動するため、旅行への意欲を高めやすいのです。

さらに、メタバースではユーザー同士がコミュニケーションを図れるため、ツアーガイドや現地の人との交流を通して、旅行への意欲を高めることもできます。

新しい市場を創出できる

現地への誘客という目的でメタバースを活用する企業は多いですが、バーチャル観光自体が新規ビジネスになり得ます。
メタバースはユーザーに対してこれまでにない新たな楽しみ方を可能にするためです。

例えば、メタバースでオンラインイベントを開催したり、バーチャル旅行をしながらNFTアイテムを購入したり、メタバースではさまざまな楽しみ方を実現できます。

巨大ゲーミングプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」では、マーケティングやブランディング、広告といった目的で、多くの企業に導入されています。

詳細は以下のサイトを参照してください。
「Roblox」の詳細はこちら

観光業でメタバースを活用するデメリット


それでは、観光系の企業がメタバースを導入するデメリットはあるのでしょうか?

費用がかかる

メタバースを取り入れるデメリットとして、イニシャルコストがかかる点が挙げられるでしょう。
長期的な視点で考えるとメタバースはコストパフォーマンスが高い施策と言えますが、導入時に仮想空間を構築する必要があり、初期費用がかかります。

メタバースの規模やコンテンツの内容によって初期費用の金額には幅がありますが、200万〜350万円程度が相場と言えるでしょう。

しかし、メタバースを導入することで得られる経済的メリットも大きいため、メリットとデメリットを踏まえた上で導入するかを検討することが大切です。

リソースが必要

メタバースを運用していくにあたり、リソースが必要になる点も懸念されます。

メタバースは一度公開すれば終了という訳ではありません。
長期的にサービスを提供していくためには、ユーザーの反応を踏まえた上でサービスを改善していく必要があるためです。

具体的には、メタバースの構築や運用、保守をしていく人員が必要です。
社内に専門知識のある人員が不足している場合、社員を育成したり、社外に外注したりする必要があります。

【都道府県別】観光業におけるメタバースの活用事例

それでは、実際にメタバースはどのように観光ビジネスに活用されているのでしょうか?
ここでは、メタバースの活用事例を都道府県別に紹介します。

【京都】NAKED GARDEN ONE KYOTO

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株式会社ネイキッドが手掛けるNAKED GARDEN ONE KYOTO(ネイキッド・ガーデン・ワン・キョウト)とは、京都の文化発信とアート体験を提供するプロジェクトです。

リアルとバーチャルを融合させた2022年のイベントでは、世界遺産の二条城や西本願寺、平安神宮などをテーマにした体験型のアート展が話題を呼びました。

メタバース上に構築された仁和寺では、着物デザイナーの斉藤上太郎氏によるメタバースファッションショーを開催。
ユーザーが自分のアバターに着物を着せて、他のユーザーと交流できるような空間を実現しました。

【大阪】バーチャル大阪

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バーチャル大阪とは、万博開催に向けて都市の魅力を多くの人に届けるために、大阪府・大阪市が開発した都市連動型メタバースです。

「City of Emergence(創発する都市)」をテーマに掲げており、新たな文化創出やコミュニティ構築を目指しています。

メタバースでは、ユーザーは大阪市内の新市街を散策したり、今昔街で妖怪カードを集めたりして楽しむことができます。
さらに、大阪府・大阪市が発信する情報をチェックすることも可能です。

【沖縄】バーチャルOKINAWA

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バーチャルOKINAWAとは、株式会社あしびかんぱにーが手掛けるメタバースを取り入れた地域活性化プロジェクトです。
新型コロナウイルスの影響で、沖縄の観光業が落ち込んでしまったことをきっかけに、本プロジェクトがスタートしました。

バーチャルOKINAWAには、オンラインショッピングや世界遺産散策、360度沖縄映像体験、バーチャル飲み会など、さまざまなコンテンツが用意されています。

【石川】​​MIHON-ICHI KANAZAWA

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MIHON-ICHI KANAZAWA(ミホンイチ・カナザワ)とは、株式会社palan(パラナ)が商業施設OPA(オーパ)と共同で運営するメタバースのVR店舗です。

金沢市の伝統工芸品が販売されており、商品の確認から決済までをメタバース上で完結させることができます。
さらに、最新技術のAR技術を用いており、自分の部屋に商品を置いた様子を確認することも可能です。

そのため、店舗に直接足を運べないユーザーにもショッピングを楽しんでもらうことができます。

【島根】島根縁結び商店街

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島根縁結び商店街とは、島根城下町食文化研究会と松江商工会議所・出雲商工会議所が共同でオープンしたメタバースです。
新型コロナウイルスにより観光や流通が減少したことから、島根県の魅力を発信するために同プロジェクトがスタートしたと言います。

誰でも無料でアバターを作成可能で、メタバースでは自由に商談やショッピングを行うことができます。
気になる商品があればスタッフに質問することも可能です。

【長野】安曇野観光メタバース

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安曇野観光メタバースとは、長野県安曇野市がオープンしたメタバースサービスです。

安曇野を実際に訪れた大学生が提案するルートを下に、観光プランをシミュレーションすることができます。
また、安曇野の写真が展示してある企画展では、安曇野の魅力を視覚的に感じることができます。


ここまで紹介したように、さまざまな企業や自治体によってメタバースは活用されています。

「観光地の魅力を展示会で発信したい」という方は、バーチャルショールームの「360 SPACE」をご検討ください。
360 SPACEでは、アプリのダウンロード不要でユーザーに気軽に参加してもらうことができます。

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まとめ

今回の記事では、「地方の魅力をより多くの人に届けたい」「メタバースを活用した取り組みをしたい」という方に向けて、メタバースのメリットやデメリット、観光ビジネスにおける事例を解説しました。

特産品のEC販売やバーチャル観光、地域の情報発信など、メタバースの活用方法は多岐に渡ります。

観光ビジネスでメタバースを検討している方は、一度newtraceにお問い合わせください。
newtraceは、Robloxを始めとしたメタバースの企画・制作・運用を手掛け、ご要望に合わせた提案を行っています。

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