3Dスキャン、やってみた!【動きの追加編】
2023.08.01
newtrace株式会社の萩原です!
前回、事業部長からの無茶ぶりによって、映画「RRR」の名シーン、ナートゥ・ナートゥダンスを披露することになった萩原とクリエイターKですが、どうやって実現するのか。
2人の雄姿を今回も是非最後までご覧ください。
1. 3Dスキャンデータに動きをつけるには
前回、3Dスキャンを駆使することで見事に3D化されたラーマ萩原とビームK。
しかし、今回の目的はあくまでもナートゥ・ナートゥダンスを踊ること。
でも、3Dでさらに動きをつけるとなると大規模なモーションキャプチャースタジオが必要なのでは…?とお考えの皆さま、安心してください。基本となる「Aポーズ」で撮影をしておくだけで、後から自由に躍らせることができるんです!
【萩原メモ】「Aポーズ」とは:

足を肩幅に広げた状態で腕を少し上げ、アルファベットのAの形になることを言います。 人を動かすにはリグと呼ばれる人間の骨に当たるパーツを3Dデータ上に入れこんでいくのですが、このポーズであらかじめ撮影しておくと後の作業がスムーズに行えます。 他に手を水平に伸ばしたTポーズも一般的です。
【モーションキャプチャー】
人の動きをCGに反映するには体の各パーツに目印となるポインターを設置し、複数のカメラで動きを追いかける「モーションキャプチャー」の手法が一般的でした。しかし近年、AIの発達などにより、一方向から撮影した動画データを読み込ませるだけで動きをキャプチャーできる技術が発達してきています。
例えば、Aポーズで作成したスキャンデータに後から撮影した戦う動作(右)を取り込んであげると…、なんとデータが同じ動きをしてくれます。

2. Aポーズの撮影からリグ入れ、動きの取り込みまで。
そこで、あらためてAポーズで撮影します。

さらに、ダンスをビデオに撮って…。

無理ですね。踊れません。

もちろん本人が踊れなくても大丈夫!本編のキレッキレのダンスシーンを活用しましょう!
実際に踊ってみてわかったのですが、本編の主人公、とんでもない体幹です。
リグ入れと動きの調整作業を終えたら、ご覧の通り、なにやら楽しげです。
完成!
リグ入れと動きの調整作業を終えたら、ご覧の通り、なにやら楽しげです。
完成した動画はコチラ。自動再生なのでずっと踊ってるかもしれません。
【萩原メモ】
弊社では、静止モデルでの3Dスキャン撮影とデータ納品に加えて、clusterやVRchatでも利用可能なVRM形式へのデータ変換や、各種動きの追加等につきましても承っております。
ご興味のある方は是非お気軽にお問い合わせくださいませ。
ここまで出来たら弊社の変態クリエイターが黙っておりません。
次回は作成した3Dスキャンデータがどこまで拡張できるのか、ご紹介したいと思います!
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モデリングディレクター 萩原
学生時代は建築と哲学について学び、設計事務所での実務経験ののち現スペースラボ/newtrace株式会社に入社。建築CGパースの制作を出発点としながらも、フィリピンでの業務管理や添景素材販売、3Dスキャンスタジオの設計、情シス管理など紆余曲折を経て現在入社8年目になります。「CGが社会に対してできること」に取り組んでいます。