メタバースの今後の展望は?市場規模予測やビジネスへの活用法などを解説

2024.05.23

メタバースという言葉を見聞きしたことはないでしょうか?
近年、さまざまな媒体で紹介されていますが、その内容がゲームという情報は聞いたことがあるけど、それ以外のことはよく分からないという人が多いのかもしれません。
メタバースは、今後の発展次第でさまざまな分野で活用され、私たちの生活に良い影響を与える可能性があります。
本記事では、メタバースとはどのようなものなのか、メタバースの市場規模、課題、ビジネスの活用法などを解説します。

メタバースとは?

メタバースとは「meta(超越)」「universe(宇宙)」をかけ合わせた造語です
インターネットを活用した3次元の仮想空間、サービスなどを提供する場所とされていますが、実は明確な定義はありません。
ユーザーが自分の分身となるアバターを使って、他のユーザーとコミュニケーションを取り、ゲームなどのコンテンツを楽しむ仮想空間を意味することもあります。

メタバースとXRの違い

実際には存在しないものを表現する、体験できる技術としてVR、AR、MRの3つがあり、これらを総称してXRと呼ばれています。
一見すると、メタバースと同じような意味と思われるかもしれませんが、メタバースは仮想空間とサービスを提供するもので、XRは前述した技術の総称です。
それでは、VR、AR、MRが、どのような技術なのか解説します。

VR(仮想現実)

VR
VRとは、「Virtual Reality」の略で仮想現実を意味します。
VRではゴーグル型のディスプレイを使用して、仮想空間内で体を動かすなどの体験ができます。ゲームで利用されることが多い技術ですが、職業トレーニングなどにも活用されています。

AR(拡張現実)

AR
ARとは、「Augmented Reality」の略で拡張現実という意味です。
スマートフォンやタブレットなどの画面に文字などの情報を現実の空間に表示が可能です。
スマートフォン越しに空き地に建物を表示させる、部屋に家具を表示させるなどの活用例があります。

MR(複合現実)

MR
MRとは、「Mixed Reality」の略で複合現実という意味です。
専用のメガネを装着して、現実の空間に文字などの情報を表示させます。MRの活用例は医師が専用メガネを着用し、患者の情報を確認しながら診察や手術を行うなどがあります。

メタバースの市場規模はどれくらい?

メタバースの市場規模はどれくらい?
メタバースの国内外の市場規模はどれくらいでしょうか?現在の市場規模と予測されている将来の市場規模について解説します。

国内市場

矢野経済研究所の調査によると、メタバースの国内市場は2021年現在744億円とされています。国内市場は毎年170%の成長が見込まれており、2026年の国内市場は1兆円に到達すると予測されています。高い成長率と市場規模に魅力を感じた多くの企業が新しいビジネスチャンスを求めて、メタバース市場に参入してくると予想されます。

世界市場

2022年6月にマッキンゼー・アンド・カンパニーが発表したレポートによると、メタバースの世界市場は2022年の段階で28兆8,000億円~43兆2,000億円とされています。
国内市場と同じく、世界市場も拡大していくと予測されており、2030年には720兆円もの巨大な市場になると予測されています。
720兆円という金額は日本全体の経済規模に匹敵する金額です。広告、教育、ゲーム、どの分野も1兆円規模の市場になると見込まれており、メタバース市場は将来性が高いと言えるでしょう。

メタバースの課題

メタバースの課題
メタバースが発展していくためには、メタバースが持つ特有の課題の解決が不可欠です。その課題について解説します。

メタバース内の法律やルールの整備

メタバースの課題の1つにメタバース内の法律やルールの整備があります。現行法では物理的に存在する物には所有権が認められていますが、メタバースのような仮想空間内は想定されていません。
そのため、メタバースの仮想空間内で行われた商取引や、その商取引で引き渡された物品に対する所有権などでトラブルが発生した場合、現行法では対応が難しくなっています。
法律やルール整備の遅れが原因で犯罪に利用されることもあり、メタバースの発展を阻害しないためにも法律とルールの整備が必要です。

機器の普及

メタバースの発展には、メタバースの世界に没入するためのVR機器の普及が必要です。
しかし、VR機器は高価なため、一般ユーザーに普及しづらいという問題があります。
また、メタバースを楽しむにはハイスペックなPCも必要です。
この2つをそろえるには経済的な負担が大きくなります。
今後、安価な機器を開発できるかどうかもメタバースの発展と普及に影響を与えるでしょう。

メタバースへの依存

メタバースの発展とともに懸念されているのが、メタバースに依存しすぎてしまい、現実世界での交流が減る恐れがあることです。
ゲームやSNSなどでも依存の問題がありますが、没入感があるメタバースもゲームやSNSと同様に依存の問題が起こる可能性が十分にあります。どのような対処法が考えられるのか依存対策についても検討しなければいけません。

メタバースの将来性はない?

メタバースの将来性はない?
メタバースには、上記で紹介した課題はあるものの、急速に伸びている市場であることや、今後の課題解決によって、将来性は高いと言われています。
メタバースの将来性について、今後の展望を紹介します。

障がい者の社会進出が容易になる

メタバースの普及は、障がい者の社会進出につながります。
メタバースを活用すれば通学・通勤の手間がなくなる、または負担が減らせるので障がい者の活躍の場が増えます。
活躍できる場が増えれば収入を得る機会も増えます。収入が増えれば消費につながり、障がい者の生活の質が向上します。社会全体で考えると新たな労働力と消費力が得られるため、経済に良い影響を及ぼします。
また、メタバースは高齢者が社会とつながる、活躍できる場としても利用できるため、SDGsが掲げる「持続可能な都市の構築」という目標達成に近付くことができます。

さまざまな企業が参入しやすくなる

メタバース内の法律やルールが整備され、信用度が高い決済システムが導入されると、メタバースへの参入に慎重だったさまざまな業界・業種の企業がメタバースに参入する可能性が高まり、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性が出てきます。
発想次第では、現実世界で実現困難なメタバース内でしかできない収益性が高いビジネスが生まれる可能性もあり、メタバースは企業にとっても魅力がある場となっていく可能性が高いでしょう。

メタバースのビジネス活用法

メタバースのビジネス活用法
最後にメタバースの主なビジネスの活用法を6つ紹介します。

セールスやマーケティング

メタバースを新たな集客場所として、セールスやマーケティングに活用する方法があります。
既存の商品やサービスの販売につなげることができ、バーチャルショールームの活用も有効です。バーチャルショールームは時間や移動の制限がないため、世界中の顧客に利用できます。メタバースの没入感を活用した、これまでにないセールス・マーケティングが実現できます。

バーチャルショールームの詳細が知りたい人は、以下をご確認ください。
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業務の効率化

研修や会議をメタバースで行う、工場などで使用する生産ラインのシミュレーション、新製品の試作をメタバースで行うことで交通費や製作費などの削減につながります。
移動や製作にかかる時間も抑えられるので、企業の規模によっては大幅な業務の効率化が実現できます。

サービスへの課金

サービスへの課金とは、ゲームの利用料、ゲーム内で使用するアイテムの購入などです。
この方法は多くの企業が成功しているビジネスモデルの1つです。
メタバースが普及し、ユーザーの利用時間、利用頻度の上昇などによって、メタバース内のアイテムの価値が高まり、市場と収益の拡大が期待できます。

プラットフォーム内の手数料

メタバース内でプラットフォームを運営して仲介手数料を得る方法もあります。
プラットフォームのビジネスモデルには複数の種類がありますが、ユーザーが制作したゲームが自由に遊べて課金もでき、課金の一部がゲームを製作したユーザーに還元されるという、プラットフォーマーとユーザーのどちらにもメリットがあるビジネスモデルもあります。

プラットフォームでの広告枠

プラットフォーム内に広告枠を設け、企業や個人に販売して収益を得るのが5つ目の活用法です。
テレビCMやWeb広告、実際の建物の屋上や壁に広告を出すのと同じことをメタバース内で行います。プラットフォーム利用者が増えることで広告の宣伝効果も高まります。

インフラ・ツールの利用料

メタバース空間を一から構築するには、さまざまなリソースが必要です。リソースを抑えて早期に収益が得られるようにするには、他の企業が提供するインフラやツールを利用するのが一般的な方法です。インフラやコンテンツを作成するツールに利用料を設定して、収益を得る方法もあります。

ここまでメタバースのビジネス活用について、さまざまな方法を紹介してきましたが、
メタバースを効果的に活用するには、プラットフォーム選びが重要です。
メタバースには数多くのプラットフォームがありますが、その1つにRoblox(ロブロックス)があります。

Robloxのアクティブユーザー数は、全世界で月間2億6,000万人以上おり、
これから紹介するメタバースのビジネス活用におすすめのプラットフォームです。
興味がある人は、以下から詳細をご確認ください。
「Roblox」の詳細はこちら

まとめ

メタバースについて解説しました。メタバース市場は今後も成長が続くと予想されています。多くの企業にとっては、新たなビジネスチャンスが期待できる市場であり、一般ユーザーにとっては、さまざまなコンテンツが楽しめる場としての魅力があります。今後の動向次第で、メタバースは私たちの生活に欠かせないものとなるかもしれません。

newtraceでは、Robloxを始めとしたメタバースの企画から運用、VR/ARの企画・制作を行っています。
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