メタバースの広告事業とは?各業界や広告代理店の活用事例も紹介
2024.06.17
近年、さまざまな業界において多くの企業が「メタバース」に注目するようになりました。特にメタバース広告を活用する企業が多く見られます。
メタバース広告を導入することでどのようなメリットを得られるのでしょうか?
また、メタバース広告はどのように活用できるのでしょうか?
今回の記事では、メタバースの基本的な知識をはじめ、メタバースの広告事業について、メタバース広告を活用するメリット、メタバース広告の活用事例、広告代理店によるメタバース活用事例について解説します。
メタバース広告に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
メタバースとは?
メタバースは「高次元な、超越した」などを意味する「Meta(メタ)」と、「世界、宇宙」を意味する「Universe(ユニバース)」を組み合わせた言葉です。
簡単に説明すると、メタバースとは、「インターネット上に構築された仮想空間・仮想世界」を意味します。
ユーザーがアバターを利用して他のユーザーと会話などのコミュニケーションを取ったり、オンライン上のイベントに参加したりなど、メタバースはさまざまな方法で活用できます。
近年はビジネス目的で利用する企業が増加しており、特に「メタバース広告(メタバース上で打ち出す広告)」への注目度が高まっています。
メタバース(仮想空間)の広告事業とは?
メタバース広告とは、「自社商品・サービスを宣伝するためにメタバース上で打ち出す広告」のことです。
メタバース上で広告を打ち出す方法には、主に以下のものが挙げられます。
- メタバース上の広告枠に看板やポスターを掲載する。
- メタバース上に店舗を設置し、自社商品・サービスをPRする。
- インフルエンサーに自社商品・サービスのPRを依頼する。
メタバース広告は観光業界やアパレル業界などさまざまな業界で利用されており、メタバース広告への注目度が高まっています。
活用事例については記事の後半で説明するので、チェックしてみてください。
メタバースの市場規模
それでは、メタバースの市場規模はどれくらいなのでしょうか?
総務省が公開している「情報通信白書令和4年版」によると、2021年におけるメタバースの世界市場は「4兆2,640億円」であることがわかりました。
今後メタバースの技術が進展することや、サービスが開発されていくことを踏まえると、2030年には「78兆8,705億円」にまで市場規模が拡大すると言われています。
このような成長分野で広告事業を展開していくことで、多くの利益を得られる可能性が高いのです。
メタバース広告を活用するメリット4選
メタバースと聞くと「認知拡大に向いていないのでは?」と感じる人がいるかもしれません。
しかし、メタバースはアバターを作成してコミュニケーションを取れる「次世代SNS」「没入型SNS」などとして注目を集めています。以下でメタバース広告を活用するメリットを紹介します。
顧客のリーチ拡大
メタバース広告を活用することで、顧客のリーチ拡大を実現できます。メタバースは場所に制限されず、どこからでもアクセスできるためです。
例えば、都市圏でプロモーションイベントを開催する場合、地理的に離れているユーザーにアクセスしてもらいにくい点が懸念されていました。しかし、メタバース上でイベントを開催することで、場所に制限されずあらゆる人にアクセスしてもらえる可能性が高まります。
さらに、デジタルネイティブ世代がターゲット層の場合、若者に人気のあるコンテンツ等とコラボすることで、プロモーション効果を得られる可能性があります。
メタバース体験による訴求力向上
メタバース体験を通して、自社商品・サービスの魅力が伝わりやすくなります。
メタバースでは、リアルで体験できない非日常的な空間を演出したり、新たな購買体験を通してプロモーションを実施したりすることが可能なためです。
例えば、メタバース上で友達と一緒にショッピングできる環境を構築すれば、現実世界において地理的に離れている友達同士で気軽にショッピング体験をしてもらえます。
企業のブランディングができる
企業のブランディングを実現できる点も、メタバース広告を活用するメリットです。
従来のインターネット広告と比較すると、メタバース広告は「体験」を通して自社商品・サービスの魅力、さらには企業やブランドの世界観を伝えられるためです。
例えば、NIKE(ナイキ)はメタバースプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」にバスケットボールコート等をモチーフにした空間を構築し、実際にゲームプレイできるだけでなく、アバターを着せ替えできるアパレル商品を販売しました。
このように、メタバースであれば、企業やブランドのイメージにあった空間を構築できるのです。
費用対効果が高い
メタバース広告は、費用対効果が高い施策です。
一般的に費用対効果は「自社商品・サービスの魅力をどれだけ効率的にターゲットに伝えられるか」によって左右されます。
メタバースであれば、より豊富なユーザーデータを取得できる可能性があり、ターゲットに向けたマーケティング施策を実行しやすくなるのです。
メタバース広告の活用事例
ここでは、業界別にメタバース広告の活用事例を紹介します。
観光業界
ANA NEO(エーエヌエー・ネオ)株式会社は、全日本空輸株式会社のグループ企業です。
同社は、2023年12月11日にバーチャルトラベルプラットフォームアプリ「ANA GranWhale(エーエヌエー・グランホエール)」をリリースしました。
ANA GranWhaleは、「V-TRIP(旅のテーマパーク空間)」と「Skyモール(ショッピング空間)」で構成されています。
V-TRIPでは、ボリビアのウユニ塩湖やタイのピンクガネーシャ、アメリカのジョシュアツリー国立公園などの人気観光地を訪れることが可能です。Skyモールでは、VR技術により実際にお店を見ている感覚で商品を購入できます。
エンタメ業界
引用:チャットボットサービス ウェザーロイドAiri(アイリ)
気象情報会社の株式会社ウェザーニューズは、VTuber(バーチャルユーチューバー)を活用しています。
VTuberとは、アバターを用いてライブ配信、および動画配信をするユーチューバーのことです。
天気に関する番組「ウェザーニュース」では、2012年からバーチャルキャラクター「ウェザーロイド Airi」を起用しており、これまでに多くのファンを獲得してきました。
小売業界
引用:メタバースで企業と生活者、地域をつなぐファン・コミュニティの構築を継続支援
株式会社ブルボンは、ビスケットやチョコレートなどを製造販売している大手菓子メーカーです。
2023年6月、同社は「ブルボンメタバース」をグランドオープンしたことで話題を呼びました。ブルボンメタバースは、アバターを使ってユーザー同士がコミュニケーションを取れる空間となっています。
ブルボンメタバースを訪れたユーザーのみが利用できるキャンペーンを実施しており、リアルと仮想空間を組み合わせたプロモーションを実現しています。
自動車業界
引用:日産のVRワールド
日産自動車株式会社は、顧客との新しい交流の場所として、ソーシャルVRアプリ「VRChat(VRチャット)」上に、バーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING(日産クロッシング)」をオープンしました。
銀座に実在するNISSAN CROSSINGを忠実に再現し、メタバースの会場内では電気自動車の展示などを構築。
今後も新車発表会や講演など、メタバースでさまざまなコンテンツを発信していくと言います。
アパレル業界
引用:日産のVRワールド
株式会社ビームスは、過去4回にわたってVRイベント「バーチャルマーケット」に出店を実現しています。
同イベントでは、アバターを着せ替えできる3Dアイテムのみならず、リアル世界で使用できるアパレルアイテムなどを販売。他にも、人気芸能人を招いたバーチャルライブを実施しました。
メタバースのイベント会場では、約50名の社員が交代でバーチャル接客を実施し、新たな接客スタイルとして注目を集めました。
広告代理店によるメタバース活用事例
ここでは、広告代理店によるメタバース活用事例を紹介します。
博報堂:メタバース内の広告枠の販売
引用:【DAC】DAC、米国Super League Gaming社と提携しメタバース領域で国内初の広告販売を開始
株式会社博報堂は、国内で初めてメタバース空間における広告枠の販売事業をスタートしました。
同社の関連会社は、世界的な人気を誇るメタバースゲーム「Roblox(ロブロックス)」における広告枠を企業向けに販売しました。広告枠を購入することで、Roblox内に存在する建物の看板に画像や動画を掲載できるようになります。
2週間の掲載で80万円からとなっており、高い費用対効果が期待できます。
電通:東京ゲームショウVRにて広告実証
引用:NTTと電通は共同で大規模なVR空間における広告モデル実証を始動
株式会社電通は、バーチャルイベント「東京ゲームショウVR」に向けて、メタバースを促進するためのシステム開発に挑戦しました。
同イベントでは、アパレルや飲食、ゲームなどのブランド向けにブースが設けられ、バーチャルならではの体験をユーザーに提供しました。
結果的に来場者数は約21万人を記録し、今後も体験のクオリティ向上に向けてシステム改善を実施していくと言います。
まとめ
今回の記事では、メタバースの基本的な知識をはじめ、メタバースの広告事業について、メタバース広告を活用するメリット、メタバース広告の活用事例、広告代理店によるメタバース活用事例について解説しました。
メタバースの市場規模は、2030年までに78兆円を超えると言われています。メタバース広告を導入することで、顧客のリーチ拡大や訴求力向上、企業のブランディングを実現できる可能性が高いです。
しかし、具体的にどのようにメタバース広告を導入すべきかわからないという企業は少なくありません。
newtrace(ニュートレース)は、メタバースのビジネス活用、および広告事業の展開をサポートしています。オンラインゲーミングプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」をはじめとした、メタバースの企画・制作・運用やVR/AR企画・制作を手掛けています。
詳細は、公式サイトからお問合せください。