XR技術を活用したメタバース展示会:運用方法と成功事例を解説

2025.03.13

これまで対面方式が主流だった展示会は、コロナ渦以降、インターネット上の仮想空間で行われるメタバース展示会が増加傾向にあります。

メタバース展示会は、インターネット環境があれば、世界中どこからでも参加可能なため、発想次第で、これまでになかった新たなビジネスチャンスを生み出すことも可能です。

この記事では、メタバース展示会の形式と会場のタイプ、メタバース展示会のメリットとデメリット、newtraceによるメタバース展示会の成功事例についても解説いたします。

メタバースとは

 

メタバース展示会の解説の前に、メタバースについて解説します。

メタバースは、インターネット上に構築した仮想空間のことです。

メタバースが登場した最初の頃はゲームに利用されることが多かったため、メタバースはゲームをする空間と思われている人もいるかもしれませんが、メタバースは発想次第で、さまざまな利用方法が可能です。

近年では、バーチャルライブやオンライン会議など、ビジネスの場としても活用されており、メタバース展示会も活用方法の1つとして注目を集めています。

XRとの違い

XRとは、クロスリアリティーの略称です。

AR(拡張現実)、MR(複合現実)、VR(仮想現実)の3つの技術の総称でもあります。

メタバースとXRは混同されがちですが、インターネット上の仮想空間がメタバースで、XRはメタバース空間への没入感を高める技術を指しています。

VRゴーグルのようなXR機器がそろっていないと、メタバースを利用できないと考えている人がいますが、それは間違いです。

VRゴーグルなどは没入感を高める機器なので、スマートフォンなどのデバイスがあれば、メタバースを利用可能です。

メタバース展示会とは

 

メタバース展示会とは、インターネット上の仮想空間であるメタバース空間で開催される展示会のことです。

メタバース空間で開催されるため、物理的・地理的な制約を受けないため、インターネット環境が整っていれば、世界中のどこからでも参加できます。

出品者側が一方的に商品やサービスをPRするのではなく、来場者側も発信できる双方向の会話をリアルタイムで行えるため、その場で取引などの交渉を行うことも可能です。

XR展示会とは

XR展示会は、AR・MR・VRの3つの技術を組み合わせた展示会です。

参加するためのデバイスに制限がないため、パソコン・スマートフォンからも参加可能なものが多いのが特徴です。

3つの技術に対応したデバイスを使用すれば、複数の情報を重ねたリアルで没入感がある体験が可能です。

VR展示会とは

VR展示会は、バーチャルリアリティにのみ対応している展示会の形式です。

完全に仮想空間内で行われるため、参加するにはVRゴーグルなどのヘッドセットが必要です。

VRゴーグルの価格は性能や用途によって異なりますが、高価なものは数万円から数十万円にもなります。

比較的、安価な製品もあるので、使用目的や使用頻度も考慮して購入する製品を選びましょう。

上記のXR展示会、VR展示会は、どちらもメタバース展示会の種類の1つです。

メタバース展示会の形式と会場タイプ

 

メタバース展示会の形式と会場のタイプについて解説します。

メタバース展示会の形式

メタバース展示会の形式は、以下の3種類があります。

単独開催

単独開催は、企業などが単独で開催する形式です。

単独開催は、展示内容や会場のデザインを主催者が決められる自由度の高さが魅力です。

会場の雰囲気やデザインに一貫性を持たせて、製品やサービスのPRに有効ですが、コストや準備の負担が大きくなりやすいデメリットがあります。

合同開催

複数の団体が合同して開催するのが合同開催です。

単独開催よりもコストや負担を抑えられ、多くの出展者が集結するので、来場者数の増加が見込めます。

デメリットは、デザインや雰囲気の統一が難しく、自由度や独自性が乏しくなることです。

ハイブリッド開催

ハイブリッド開催は、リアルとメタバース展示会を融合した形式です。

両方の形式を体験できるので、来場者に製品やサービスをPRするのに有効です。

デメリットは、両者の整合性を取るのが難しく、運営が複雑化するため、準備に大きな負担がかかることです。

メタバース展示会の会場タイプ

メタバース展示会の会場タイプも、以下の3種類に分かれています。

2Dタイプ

一般的なアニメやイラストなど「平面」で構成されたのが2Dタイプです。

プラットフォーム利用料が安く、技術的にも難しくないのがメリットです。

デメリットは、没入感が低いため、PR効果が乏しくなる恐れがあります。

3DCGタイプ

3次元のCGで構築されたのが3DCGタイプです。

表現の自由度が高く、アバターで会場を自由に動けるので強い没入感が得られます。

しかし、制作には高度な技術と、コストも高額になる恐れがあります。

また、専用のアプリやVRゴーグルが必須になる場合もあります。

実写タイプ

現実に存在する展示会場を360度カメラで撮影し、メタバース空間に再現するのが実写タイプです。

3DCGタイプと違い、存在するものを再現しているので、高い没入感が魅力のタイプです。

デメリットは、制作と編集に手間と時間がかかることです。

メタバース展示会のメリット

 

メタバース展示会の主なメリットを解説します。

新たな体験・新たなビジネスの場を提供できる

新たな体験・新たなビジネスの場を提供できるのが、メタバース展示会のメリットです。

例えば、メタバース内で開発中のデモ機の展示と体験イベントを行うことで、今後の商品展開のPRと、使用したフィードバッグをリアルタイムで受けられるため、その後の開発に活かせます。

また、全世界からアクセスできるので、従来の販路になかった地域でのビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。

企業と一般人の両方の来場が期待できる

メタバース展示会は、主催者・来場者、どちらも利用しやすいメリットがあります。

主催者側は会場費、運搬費などがかからず、コストを抑えやすいメリットがあります。

来場者側は物理的制約を受けず、自宅から参加できるので交通費や宿泊費がかかりません。

企業と個人、どちらにとっても、参加しやすいため、多くの来場者を期待できます。

コストパフォーマンスに優れている

リアルで展示会を開催する場合、開催するごとに展示ブースの設営、撤去などのコストが発生します。

メタバース展示会は、最初に展示会場を構築するためのコストがかかりますが、その後は繰り返し使えます。

仮にメタバース展示会場構築の初期費用が、リアルの展示会2回分のコストがかかっても、繰り返し利用できるので長期的に見ると、メタバース展示会の方が、コストパフォーマンスに優れています。

メタバース展示会のデメリット

 

メタバース展示会のデメリットについて解説します。

安定した通信環境と機器が必要

メタバース展示会の開催には安定した通信環境の確保と、VRゴーグルなどの準備が必要です。

これらの機器は高額であるものも多く、更新速度も速いため、定期的に買い替えが必要になる可能性があります。

これらのコスト負担は軽視できないため、中小企業やスタートアップ企業は、メタバース展示会に参加しづらい場合があります。

セキュリティとプライバシー保護対策が必要

メタバース展示会では、セキュリティとプライバシー保護対策が必要不可欠です。

不正アクセスによって、企業秘密や個人情報が漏えいした場合は経済的損失だけでなく、ブランドイメージが失墜する恐れがあるため、入念な対策が必要です。

メタバースの専門的な技術と知識が必要

メタバース展示会の開催には、メタバースに関する知見に優れた人材が必要です。

社内にそのような人材がいない場合、外注する必要がありますが、コストの問題が発生します。

継続的な開催を検討している場合は、人材の確保と育成を行う必要があります。

参加者の表情・リアクションが判断しづらい

参加者の表情やリアクションが判断しづらいというデメリットもあります。

表情やリアクションなど、言語以外の情報は、相手の考えをくみ取るのに重要です。

アバターは表情に変化がなく、音声やチャットの文字情報だけでは限界があります。

メタバース展示会では、これらについても注意と対策が必要です。

newtraceによるメタバース展示会の成功事例

 

こちらでは、newtraceによるメタバース展示会の成功事例を紹介します。

三重県ものづくり企業バーチャル展示会

2023年に三重県の主催で、「三重県ものづくり企業バーチャル展示会」が開催されました。

この展示会は、サプライチェーンの強化、生産性・品質向上が可能な技術を探す企業同士をつなぐ、新たな発見の場とすることを目的としています。

三重県内で、ものづくりを行っている中小企業の技術と製品をPRする目的で、弊社の「360 SPACE」システムを活用していただきました。

「360 SPACE」のパッケージプランは、ブースのデザインが完成しているため、ブースを一から構築する必要がなく、展示物に注力できます。

製品の展示、技術力のPRの他に「お問い合わせ機能」を利用することで、出展企業へ商談依頼のメール送信も可能です。

参考:三重県ものづくり企業バーチャル展示会【360 SPACE】

東京アニメセンター

2023年、newtraceは大日本印刷株式会社と連携し、人気のプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」を活用したサービスの提供を始めました。

2024年にオープンした「東京アニメセンター on Roblox」は、バーチャル空間ならではの没入型体験や情報発信を通じ、日本の魅力あるIPコンテンツを国内外のファンに届け、ファンとの交流を深めることを目的として開設されました。

国内のファンに向けては、オフライン施策と連動したメディアミックス展開を行い、これまでになかった独自の企画を実施していく予定です。

まとめ

 

メタバース展示会は、リアルの展示会とは異なる魅力がある形式です。

インターネット環境があれば国内外、さまざまな地域からの来場者を期待できます。

宣伝効果が高いメタバース展示会を実現したい場合は、ノウハウを持つ企業に依頼することをおすすめします。

newtraceでは、メタバース展示会をはじめとした企画・制作・運用を行っています。

さまざまな企業・自治体と連携したメタバース展示会の開催実績も豊富です。

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