メタバース(仮想空間)とVRの違いとは?メタバースでのVR活用事例も紹介
2024.03.26
メタバースとは、インターネット上の広がりを持つ仮想空間を指し、VR(仮想現実)はその空間をリアルに体験するための技術です。
この二つの概念は近年、さまざまな分野で注目を集めています。
しかし、それぞれの機能性や活用の仕方には明確な違いがあります。
本記事では、メタバースとVR・ARの関係性、メタバースでのVR活用のメリットとデメリット、さらにVRを活用したメタバースサービスについて具体的に解説していきます。
メタバース(仮想空間)とVR・ARの関係性
メタバース(仮想空間)とは?
メタバースは、ギリシャ語の「メタ(超越した・高次の)」と「バース(宇宙・世界)」から成る造語で、「デジタル上の超越した世界」を表しています。
メタバースは現実空間とは異なったデジタル上の仮想空間であり、大人数が同時に参加し自由な体験や交流を行うことができます。
近年では、VR技術を活用し、ゴーグルを用いて人間がアバターとして仮想空間に入り込み、さまざまな活動を楽しむことが可能となっています。
仮想空間では、現実世界の制約を受けないため、現実世界ではできない自由な体験や交流ができ、自由度が高く、自分だけの世界をカスタマイズできるような体験を創出してくれます。
VRとは?
VRは「バーチャルリアリティ」の略で、「仮想現実」とも呼ばれています。
VRは専用のゴーグルなどのデバイスを通じて、ユーザーの視界を覆うような360°の映像を出力することで、その空間内で視覚的に没入体験をする技術です。
ユーザーはこの仮想空間内でさまざまな活動を行うことができ、現実には存在しない体験を仮想的に楽しむことが可能になります。
また、映像の中で自由に移動ができる、映像内のものを実際に動かせるなど、より没入感の高い体験も可能となっており、教育、娯楽、訓練など多岐にわたる分野で活用されつつあります。
ARとは?
ARは「オーグメンテッドリアリティ」の略で、「拡張現実」とも称されます。
ARは仮想空間に没入するVRとは違い、現実の世界にデジタルの情報を重ね合わせる技術です。
現実世界の風景をスマートフォンやタブレットのカメラを通じて見ると、画像や動画、文字情報が加わり、まるで現実が拡張されたかのような体験を得られます。
この技術は、現実の世界に仮想の情報を融合させ、教育、ゲーム、ナビゲーションなどさまざまな分野で活用されています。
メタバース(仮想空間)とVR・ARの違い
それぞれの説明にもあった通り、メタバースは仮想空間そのものであり、それに対して、VR・ARはメタバースなどの仮想空間を体験するための手段となっています。
メタバースでVRやARを使用しない場合もありますが、基本的にユーザーはそれらの技術を用いて体験しています。
また、メタバースとVR・ARの決定的な違いとして、体験方式の想定が異なるといったことが挙げられます。
メタバースは仮想空間で「複数人」と関わりを持つ一方で、VR・ARはそれぞれ「個人」で利用する体験を想定しているということです。
もちろん、メタバースでは一人でのバーチャル体験も可能で、VRやARを通じて複数の人が交流することも可能です。
しかし、メタバースの基本的な前提として、複数のユーザーがその世界に参加することがあります。
メタバースでVRを活用するメリット3選
場所を問わずリアルな体験ができる
メタバースでのVR活用は、場所を問わずリアルな体験が可能というメリットがあります。
VR技術により、仮想空間内での没入感が増し、現実世界では体験できないような活動が可能になります。
たとえば、遠隔地にいながらにして、まるでその場にいるかのような感覚でイベントに参加したり、学習やビジネスミーティングを行ったりもできます。
これにより、空間の制約を超えた新たな体験や交流が実現され、教育やビジネスの分野での応用が期待されています。
コミュニケーションが円滑に進む
メタバースでのVR活用は、仮想空間内でのコミュニケーションがよりリアルかつ自然に進むことを可能にします。
VR技術を用いることで、ユーザーは実際にそこにいるかのような感覚で他者と交流でき、表情や動きがリアルタイムで反映されるため、遠隔地にいてもまるで同じ空間にいるかのようなコミュニケーション体験ができます。
また、それによりボディランゲージでもコミュニケーションが取れ、より円滑に交流できるようになります。
この技術は、ビジネスミーティングから教育、エンターテインメントまで幅広い分野での活用が期待されており、特に現実世界での対面が難しい状況下では、VRを活用したメタバースが新たな解決策として注目されています。
新しいビジネスにつながる
メタバースでVR(仮想現実)を活用することは、新しいビジネス機会につながる大きなメリットがあります。
VR技術を使うことで、リアルに近い体験を提供でき、これが新たなビジネスモデルの創出を可能にします。
例えば、医療分野では、シミュレーターとしての活用が進んでおり、実際の手術や治療のトレーニングに用いられています。
また、住宅業界では、バーチャル住宅展示場を通じて顧客に新しい体験を提供し、コスト削減と効率化を実現しています。
このように、メタバースとVRの組み合わせは、従来のビジネスにはない新しい価値を創造し、幅広い分野での活用が期待されています。
メタバースでVRを活用するデメリット2選
VRゴーグルなどの機材が必要
VRゴーグルなどの専門機材が必要であるため、コストや準備の面でデメリットがあります。
特にビジネスでの活用を考えた場合、すべての参加者にVR機材を配備する必要が出てくる可能性があり、そのコストは決して無視できません。
また、VR機材を使用することで生じる体験の質の差異も問題となります。
機材の質によってユーザーが得られる体験が異なってしまったり、機材を使いこなせないことによる質の違いも生じたりする可能性があります。
さらに、長時間のVRゴーグルを着用し、使用による身体への影響も懸念されています。
目の疲れや酔い感、頭痛などの身体的不快感が報告されており、これらはVR技術の普及と共に解決すべき課題となっています。
ネットワーク回線が重くなる
ネットワーク回線の負荷が増大することもメタバースでのVR活用によるデメリットとして挙げられます。
メタバース内で高品質なVR体験を提供するためには、高速かつ安定した通信が必須となります。
これにより、既存のネットワークインフラに対する圧力が高まり、特に大規模なオンラインイベントや多数のユーザーが同時にアクセスする場合には、回線の遅延や接続の不安定化が生じる可能性があります。
これらの問題は、ユーザー体験の低下を招くだけでなく、ビジネスでの活用においても信頼性や効率性に影響を与える可能性があるので注意が必要です。
VRを活用したメタバースサービス例
Roblox
Robloxは、子供や若者を中心に人気のあるオンラインプラットフォームで、ユーザーが自分のゲームを作成し、他のユーザーと共有できます。
このプラットフォームは、VRを活用して没入感のある体験を提供し、メタバースサービスの一例として挙げられます。
ユーザーは自身のアバターをカスタマイズし、さまざまなゲームや体験を通じて他のユーザーと交流することができます。
このように、Robloxは、創造性を発揮しコミュニケーションを取りながら楽しめる、VR技術を駆使したメタバース空間の提供に貢献しています。
フォートナイト
フォートナイトもVRを活用したメタバースサービスを提供しています。
Creativeモードではユーザーが自分だけのメタバースを創造できます。
過去には多数のアーティストがメタバース上でライブを実施し、ブロックチェーンゲームの追加も発表されました。
このプラットフォームは、その自由度の高さと大規模なユーザーベースにより、メタバースサービスの例として注目されています。
Minecraft
VR技術を利用したメタバースサービスの一例として、Minecraftが挙げられます。
このゲームでは、ブロックを使った建築や探索、冒険など、自由度の高いプレイが楽しめます。
VRを導入することで、プレイヤーは実際にゲーム内を歩き回り、ブロックを破壊したり、敵と戦ったりするなど、よりリアルで没入感のある体験が可能になります。
また、最近では教育現場で取り入れられるなど、創造力を養う方法としても注目されています。
VRを活用したおすすめサービス
「360 SPACE」というバーチャル展示会など、さまざまなVR活用事例があります。
「360 SPACE」では、バーチャル展示会やショールームなどさまざまなVR技術を活用したサービスを提供しており、それはWebブラウザ上で簡単にアクセスでき、リアルな展示会の体験をオンラインで実現します。
機能は多岐にわたり、リアルタイムチャットやWeb会議予約機能、来場者情報の収集などが可能で、企業のマーケティング活動に有効に利用できます。
また、時間や場所に制約されずに世界中の人々にアクセスできるため、より広い集客ができます。
まとめ
本記事では、メタバースとVR/ARの違いや活用方法について解説していきました。
メタバースでのVR活用は、リアルな体験の提供やビジネス活用につながるメリットがある一方で、デメリットも存在します。
現在、RobloxやフォートナイトといったメタバースプラットフォームでVRを用いた多様な活用がされ始めています。
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