これからと、これまでの「メタバース」と「ビジネス」 ‐メリット・デメリットから事例まで‐
2023.08.10
メタバースとビジネスとは?
メタバースとは、インターネット上に構築されスマホやPCなどで利用可能な仮想空間のことで、ユーザーが自分の分身であるアバターを使用して、他のユーザーと交流したり、ゲームをしたり、買い物をしたり疑似的な体験を行うことができます。
更なる発展の可能性があり、現在ではビジネスや教育、エンターテインメントなど、さまざまな分野で活用され始めてきています。
この記事を読んでいただくとメタバースとビジネスの分野でのメリット・デメリットといくつかの事例とマーケティングや販売促進、ブランディングなどのヒントになるような内容になっています!
メタバースでビジネスをする際のメリット
ここでは、ビジネス分野でメタバースを行う上でのいくつかのメリットをご紹介します。
メリット①:新しいマーケティングや販売促進への活用
これまでのデジタルマーケティングは、WEBやSNS、メールが主流でした。メタバースはSNSとWEBマーケティングと同等、あるいはWEBやSNSでも表せない方法での表現が可能となります。大きな違いとしては「3Dでの表現」や「3次元表現」などのより没入感のある体験を生み出すことが可能です。
WEBやSNSでは限界であった、デジタルマーケティングでのターゲット層拡大や、リアルやフィジカルでの実施が難しい3Dモデルを利用したA/Bテストなどのプロダクトマーケティングの実施もできるでしょう。
メリット②:新しいビジネス展開の実現
メタバースでは、空間や時間に制限はありません。メタバース内に店舗を公開し、ショッピング体験や製品・サービスの体験を受ける事も可能です。フィジカルやオフラインでの予行的に行うことで実際の体験に安心感を提供もできます。
メリット③:コミュニケーションやイベントの維持やコストの効率化
メタバースの一番の特長はビジネスコミュニケーションの拡張ではないでしょうか。物理的に限界だったり平均的な対応が難しい内容でも、デジタルであるからできるコミュニケーションも多くあります。また、デジタルコンテンツだからこそマーケティングの統計を利用してローカライズされた対応もでき、ユーザーや顧客の満足度を高められます。
メリット④:他社との差別化によるブランディング
メタバースなどの先進的な取り組みを実施している企業は増えつつありますが、現段階ではまだまだ少ないのも事実です。
早い段階から積極的にメタバースを実施することで企業の先進的なブランディングのイメージアップが可能で、他社との差別化を行えます。
また、メタバースの目的である継続的な拡張が可能であることやSDGsへの取り組みの一つとしてご活用いただく事例もございます。
メリット⑤:デジタルネイティブ世代へのリレーション獲得
20代以前の世代の多くのユーザーはテレビ離れ、あるいは広告に不快感を抱く世代になりつつあります。しかし、SNSへは好意的であり、ブランディングや広報に興味を惹かれる傾向にあります。また、スマホの普及によりゲーム広告を多く目にする世代でもあります。そのため、メタバースなどでのゲームでの広告による認知や浸透を行うことで、新しい世代へのリレーションの獲得が可能になります。
弊社では、月間で全世界2億以上人がプレイするプラットフォームへのメタバースワールド企画・制作・運用のご相談も行っております。
気になる方は、お気軽にご相談ください。
メタバースでビジネスをする際のデメリット
次にメタバースでのビジネスにおけるデメリットです。
デメリット①:ネットワーク環境による影響
メタバースの体験に欠かせないのは、視聴デバイスが問題なく動く環境です。そのため、ユーザーや顧客のインターネット環境が不安定であると良い体験を提供することが難しい場合があります。
制作する際には細心の注意を払い、制作の知見を有した会社に依頼することが大切になります。newtrace株式会社の母体の会社は3DCG制作で15年以上の老舗の制作会社であり、様々なナレッジを活かした制作が可能です。
デメリット②:初期投資の課題
選ぶ制作会社やプラットフォームによっては制作コストに大きな差が生まれます。また導線設計やコンバージョンの設定によっても大きく異なる部分でもありますので、企画から行える制作会社への依頼は必須になります。
デメリット③:ユーザー同士トラブルや誹謗中傷のリスク
オリジナルプラットフォームや体制の整っていないプラットフォームでは、ユーザー同士の匿名性の高さからトラブルや犯罪行為が起こりやすいとの課題があります。ルールや違反項目等を決める事で対策できますが、事前の審査があるプラットフォームへ企業側が誘導するなどの対策も可能です。ゲーミングプラットフォームのRobloxでの危機対策に関しての記事ありますので、是非コチラもあわせてご覧ください。
メタバースビジネスの始め方
メタバースでのビジネス活用に関しての一例をご紹介いたします。
活用方法①イベントやコミュニケーション
様々なイベントやコミュニケーションにも活用されております。例えば、採用応募者やファンやサービス利用の顧客などに向けた交流会としてのコミュニケーションの場でもご利用いただいています。
イベントでのエンゲージメント向上
現実空間で顧客にやってもらうのが難しい体験をメタバース上でユーザーに提供することができます。時間や場所を越えたユーザー同士の自由な交流やゲーム体験や、空間でのギミックを通した体験や空間での企業表現などにより、従来の文章や画像などでの表現を越えた企業体験を提供し、来訪ユーザーとのエンゲージメント取得や向上が可能です。
均一なコミュニケーションやローカライズされたコミュニケーション
来訪ユーザーを接客する人同士の1対1のコミュニケーションだけではなく、NPC(Non Player Character)によるコンピューターから自動的な誘導や会話などの体験やコミュニケーションの均一化も可能です。
また、それぞれ選択に対応と追加するだけでもコミュニケーションのローカライズを計ることも可能です。
活用方法②ショールームとして
企業間取引のBtoBでも一般消費者向けのBtoCでも、幅広く活用されている事例になります。目的やコンバージョンが明確にしやすいため、メタバースを取り入れやすい事例です。
実際の展示会場やショールームと違い、賃料や施工量などの費用や清掃などのメンテナンスの手間もかからないのも大きなメリットです。
展示会の代替えとして常時開催
展示会では、時間をかけ移動し限られた時間内での見学や視察になります。メタバースでは移動時間や現実の場所の制限もかからない為、展示会やショールームにお越しいただくお客様側にとって、ハードルが下がるなどの側面もあります。
プレスリリースした商品をより広範囲に認知
また、プレスリリースした商品へオンライン上ですぐに遷移させることも可能です。プレスリリースを見てから熱が冷めないうちに見たり体験させたりする事ができるのはメタバースならではの認知方法です。
活用方法③教育やトレーニング
メタバースだけでなくVRも教育現場やトレーニングで有効活用することが出来ます。
一方通行のコンテンツにならない為の工夫が必要となりますが、3Dモデルを利用した教育はこれまでの文字や絵などの平面的な表現から一線を画します。
ゲームのような様々なリテラシー教育
工事現場や工場などでの危険予知は、事故などの実際に起こってはならないことをどこまで学習できるかにかかっています。現実のテキストや講習では体験できない事を疑似体験することができます。危険ではないことに危機感を持つことができるのもゲーム性ならではです。
仮想空間上で繰り返し行うことで身につく
学習は繰り返し、反復することで覚える事も多くあります。ゲーム性のあるメタバースであれば、繰り返す事への負担を軽減しながら学習や体験することが可能です。また、学習のデータ構築によるローカライズもできるため、不得意な内容を多く出題するなどの調整も行えます。
活用方法④バーチャルストア
バーチャルストアにも様々な形があります。アイテム販売からECに遷移させる方法などプラットフォームによってですができることや対策は様々です。
またバーチャルアイテム販売もマーケティングの一つとしてご利用いただくパターンも多くあります。
アイテム販売やゲームの販売などブランディングを通して個性を訴求
Robloxでは多くのアバター販売を行うことでオフラインやフィジカルへの還元を期待した動きも多く、アパレル企業で導入される事例が多く見受けられます。またRobloxのユーザーは自身を表現するためのアイデンティティとして、現実でもアバターアイテムと同じアイテムを購入する傾向にあります。
活用方法⑤ゲームでの活用や広告
メタバースとゲームは切っても切り離せません。仮想空間内でのエンゲージメントは滞在時間と言っても過言ではありません。また、空間内広告はザイオンス効果やサブリミナル効果のような心理的に似たような効果をもたらします。
ゲーミングプラットフォームを超えた没入型SNS
SNSやWEBサイトと並列で比較されるツールになりつつある
SNSやWEBサイトのようにメディアの1つとしてメタバースは今後、浸透していく事でしょう。Twitterも公開当初から数年はギークな男性が一般のユーザーでした。しかし、現在では多くのユーザーや年齢層から使われ、広報、広告、マーケティングツールとしても進化しました。
メタバースもSNS同様にこれから主軸になるツールになると考えられてきています。
SNSのように統計を計れる
SNSでは、公開した投稿に対しての反響や投稿からの導線やユーザー層などを確認することが出来ます。メタバースもプラットフォームや導入するアナリティクスによって取れる統計が大きく異なります。
向いている業界や商材
向いている業界や商材としては、
1つ目はアバターでアイテム販売できるモノを制作している業界や商材です。
2つ目は有形商材で3Dで表現できる商材を取り扱っている場合です。
メタバースはどこに向けたものなのか?
バーチャルの充実の為に行っているものではない
メタバースはバーチャルで完結するために行われたものではありません。バーチャルで体験や消費し、フィジカルやリアルでも無駄を出さないこともオフラインに還元されている部分ではないでしょうか。大きな枠ではSDGsの17項目の中にも、メタバースやデジタルコンテンツの取り組みによって貢献できる項目が多く見受けられます。
オフラインやフィジカルをより充実させるために
デジタルツインは分かりやすい概念化になります。オフラインやフィジカルでの充実を図るためにデジタルで周知したり、デジタル上で統計を取りよりよいプロダクトをフィジカルやリアルに生み出すことでもあります。これまでより良い状態にすることは、オンラインやデジタルコンテンツ、メタバースなどを活用したマーケティング施策から可能となるのです。
まとめ
メタバースやデジタルコンテンツでのビジネスについて書きました。大きく広い概念であったり、表層的な活用部分の紹介ですのでまだまだピンと来ない方も多くいらっしゃるかもしれません。
もし、メタバースやデジタルコンテンツの計画をご検討されておりましたら、一度お気軽にご相談ください。
ディレクター・マーケティング担当 工藤
newtrace株式会社の母体である、スペースラボ株式会社に10年以上在籍。
newtrace株式会社の基となるVRチーム立ち上げメンバー。3歳の娘と日々ディ●ニープリンセスごっこに付き合いつつ、楽しく子育て実行中。 スペースラボのWEB広報広告担当の知見を活かして、メタバースを広報広告として提案いたします。