メタバース教育の活用事例とは?海外の事例や課題も徹底解説!
2025.05.21
メタバースが教育現場でも活用されていることをご存知でしょうか。
近年、メタバースやVRなどの最先端技術に注目が集まっており、さまざまな場面で活用されています。
その中で、今回は教育現場におけるメタバース活用事例を紹介します。
さらに、海外の事例や今後の課題も解説していきます。
メタバース教育に関心がある方は、ぜひ最後までお読みください。
メタバース教育とは?
メタバース教育とは、VRの技術を用いたサービスの一つであるメタバースを教育現場で活用していることを指します。
メタバースは、現実世界と連動しているため、実際の自分が動いた通りにバーチャル世界のアバターも動くようになっています。
従来の教育は、一つのクラスに集まり、対面で先生からの指導を受けたり、クラスメイトと交流したりする形のみとなっていました。
しかし、メタバースに関する技術が進歩したことで、対面でなくても学び、交流することが可能となり、さまざま事情をくみ取った教育の多様化が進んでいます。
メタバース教育の具体的な事例やメリットは、以下で詳しく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
メタバース教育の活用事例3選!
バーチャル授業で不登校対策
1つ目の事例は、バーチャル授業を用いて不登校生徒に対する学習支援をしているものです。
認定NPOカタリバは、メタバース空間で学校に通うことができない子供たちに対して教育プログラムを実施しています。
メタバースを活用することで、自治体を超えて一斉に学ぶことができることで人件費削減に繋がったり、実際に顔を合わせることがないからこそ心を開きやすかったりというメリットがあります。
さらに、メタバース空間にいるスタッフが生徒とその学校を繋げるというサポートも行っています。
学校とコミュニケーションを続けていくことで、生徒の変化や気持ちに柔軟に対応できる、対面での学びに挑戦しやすくなります。
バーチャルのオンラインスクール
2つ目の事例は、バーチャルの社会人向けのオンラインスクールです。
現在、さまざま分野においてオンラインスクールが開講されていますが、バーチャル空間を活用したものはあまり多くありません。
その中で、株式会社宝島ワンダーネットが運営する社会人向けのWebデザインスクールがバーチャル空間で実施されています。
バーチャルを活用することで、通学しているかのようにアバターを通じてレッスン外のコミュニケーションをとれるという独自のメリットがあります。
また、バーチャル空間は24時間開かれているため、物理的に離れている人であっても、リアルタイムで会話したり、学び合ったりすることができます。
ギフテッドの子供に向けたバーチャルスクール
3つ目の事例は、ギフテッド傾向の子供に向けたバーチャルスクールです。
ギフテッドの子供たちは、学校や周囲の人とうまく馴染むことができず、孤独を感じやすい傾向にあります。
そこで、NPO法人ROJEは、似た特徴をもつ子供が交流し学ぶことができる場所をバーチャル空間で提供しています。
このバーチャルスクールでは、それぞれの専門分野をもつ大学生が講師として在籍しており、歴史や数学、宇宙などそれぞれ興味のある分野を学ぶことができます。
さらに、生徒同士のアバターを通じた交流も盛んに行われているため、お互いの顔を知らずとも友人をつくることもできるようになっています。
海外での活用事例
スタンフォード大学の授業
スタンフォード大学では、2021年からMeta社が開発したVRを活用した講義を開講しています。
これまでに数百人を超える学生がこの講義に参加しており、全ての授業がVR空間内で実施されています。
教科書でただ習ったり、教授の話を聞いたりして終わるのではなく、VRを活用して当事者のような体験をすることで、より学びを深めることができるようになっています。
例えば、人種差別を受けた黒人男性の事例を学ぶ際には、実際に自分がその男性かのような視点で授業が進められます。
VRを通じて、これまでの授業では難しかった当事者意識をもった学びが実現されています。
大手プラットフォームによる教育系ゲーム開発
オンラインゲームの大手プラットフォームがメタバースを視野に入れた教育系ゲームの開発を行っています。
既存ゲームのプレイユーザーの多くが学生だったことから、若い時からメタバースに接することができるゲームの開発を計画しているようです。
ゲームで楽しく学ぶことができるだけではなく、最先端技術であるメタバースに触れ合うことで子供たちの興味関心を引き出しながら学べるゲームを目標としています。
まだ実現はされていませんが、将来実現した場合は、教育の幅もより広がっていくでしょう。
メタバース教育のメリットは?
メタバースで学習効率向上
1つ目のメリットは、メタバースを活用することで学習効率が向上することです。
従来の教科書は2Dの世界だったため、空間をもつものを学習する際は生徒自身が想像して学ばなければなりませんでした。
しかし、メタバース空間は3Dを実現するため、よりリアルな状態を見ながら学ぶことができます。
例えば、数学のベクトルの範囲では、実際に奥行きや距離感を感じることができたり、生物の人体構造を学ぶ際には、実際にどのような配置になっているのかなどを立体で学ぶことができたりします。
学校に行けない子でも受けられる
2つ目のメリットは、学校に行くことができない子供であっても授業を受けることができることです。
国内における事例でも紹介した通り、メタバースを活用した不登校の生徒に対する学習支援は既に行われています。
メタバースは、アバターを通じて通学したり、授業を受けたりすることができるため、実際には通学ができない子供であっても教育を受けることができます。
その点、メタバース教育は、教育機会の平等や多様化に貢献しているといえます。
時間的・地理的な制限がない
3つ目のメリットは、時間的・物理的な制限がないことです。
メタバース教育はすべてがオンラインで実施されるため、時間的・物理的な理由で対面で実施することができないようなことであっても受けることができます。
例えば、働いていてスクールに通うことが難しい社会人であっても自宅から簡単に授業を受けられたり、遠方に住んでいて通学が難しい人も時間を節約して学ぶことができたりします。
楽しく学べる
4つ目のメリットは、楽しく学ぶことができることです。
メタバース教育は、ゲームに近い感覚で学ぶことができるという特徴があるため、勉強が苦手な子供であっても学習のハードルを下げることができます。
楽しみながら学ぶことができる経験が積み重なることで、勉強自体の印象や意識が変化することもあるため、勉強の取っ掛かりとして活用するのもよいでしょう。
メタバース教育の課題とは
初期コストの負担
今後の課題1つ目は、初期コストの負担が大きいことです。
メタバース教育を実施しようとすると、専用の機械を複数用意する必要があるため、初期コストがかかってしまいます。
現在人気が高いVR用のヘッドセットは、約6万円となっているため、決して安くありません。
さらに、インターネット回線の費用や電気代も継続してかかります。
今後は、初期コストをいかに抑えて始めることができるかは、重要なポイントとなります。
対応している学校や機関が少ない
2つ目は、現在対応している学校や機関が少ないことです。
メタバース・メタバース教育は、近年注目が高まってはいますが、まだ実際に実施している学校や機関は多くないことが現状です。
経済的な理由で教材や専用の機械を用意することが難しかったり、周囲や保護者から理解してもらうことが難しかったりとさまざま要因から実現が簡単ではありません。
そのため、メタバース教育自体をより浸透させると同時に、そのメリットを理解してもらうことが今後のポイントとなります。
まとめ
今回は、メタバース教育の活用事例を詳しく紹介しました。
バーチャル空間を活用した不登校生徒向けの学習支援やオンラインスクールなど、多様な場面で用いられています。
また、海外ではスタンフォード大学や大手プラットフォームによる事例もあります。
学習効率の向上や通学ができない子どもも利用できるといったメリットがありますが、導入ハードルの高さが課題となっています。
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